物性値

SimpleSimの画面
  1. 物性値
  2. 密度
  3. 粘性係数
  4. 比熱
  5. 熱伝導率
  6. 物性値(マルチリージョン)
  7. 物性値(混相流:VOF)
  8. 物性値(混相流:Lagragian)
  9. 物性値(混相流:Euler)
  10. スカラー

5-1.物性値

SimpleSimの画面

ここでは、材料の物理的特性を設定することができます。
設定できる項目には、「密度」「粘性係数」「比熱」「熱伝導率」等があります。
入力する項目は設定によって、自動的に変化します。

5-2.密度

SimpleSimの画面

密度は物質の単位体積当たりの質量を表す物性値です。
非圧縮性流体では、密度は常に一定であるとして扱われます。
圧縮性流体では、密度は変化します。

密度のオプションとして、「一定値」「ブシネスク近似」「表形式」「理想気体」「完全流体」が利用できます。

一定値は、密度を一定の値の非圧縮性流体に設定する場合に、使用します。

SimpleSimの画面

ブシネスク近似は、熱膨張による密度変化に比べて膨張圧縮による密度変化が無視できる場合に使用する近似です。密度の変化は重力に比例した浮力としてのみ流体の運動に影響を及ぼし、運動量の変化を無視します。この近似は、温度変化が小さい場合にのみ有効な近似であることに注意してください。

ブシネスク近似は、「熱」と「重力」がオンの場合にのみ使用できます。

密度\( \rho \)は下記の式で表されます。
\( \rho=\rho_0(1-\beta(T-T_0)) \)
\( \rho_0 \)は基準密度、\( \beta \)は体膨張係数、Tは温度、\( T_0\)は基準温度を表します。

SimpleSimの画面

表形式は、温度に対する密度を表形式で指定できます。実験や文献から得られた温度と密度のデータを入力することができます。

[+][-]ボタンでデータを増減させることができます。最大で10点まで増やすことができます。

SimpleSimの画面

理想気体は、状態方程式によって密度が決定されます。

状態方程式は\( \rho=\frac{\LARGE{p}}{\LARGE{RT}} \)で表されます。

SimpleSimの画面

完全流体は、圧縮性流体モデルで、密度は、圧力、温度、気体定数によって決定されます。

密度は\( \rho=\LARGE{\frac{p}{RT}}\normalsize{+\rho_0} \)で表されます。
参照密度\( \rho_0 \)は、p=0[Pa]での密度です。

5-3.粘性係数

SimpleSimの画面

粘性係数は、流体の粘りによって周囲に伝わる力の大きさを表す物性値です。

粘性係数のオプションとして、「一定値」が利用できます。

一定値は、流体をニュートン流体に設定する場合に使用します。

5-4.比熱

SimpleSimの画面

比熱は、単位質量の物質が単位温度上昇するのに必要な熱量を表すパラメータです。単位は、(J/(kg・K))です。

比熱のオプションとして、「一定値」が利用できます。

5-5.熱伝導率

SimpleSimの画面

熱伝導率は、物質が熱を伝える能力を表し、単位面積あたりの熱量が温度勾配に比例する性質を示します。

比熱のオプションとして、「一定値」が利用できます。

5-6.物性値(マルチリージョン)

SimpleSimの画面

マルチリージョンの場合は、メッシュで設定した数の領域があり、各領域で異なる物性値を設定することができます。各領域が流体か固体か選択することができます。

5-7.物性値(混相流:VOF)

SimpleSimの画面

混相流のVOFモデルの場合、各相の物性値を設定することができます。

追加で表面張力を設定することができます。表面張力は、表面をできるだけ小さくしようとする性質のことです。

5-8.物性値(混相流:Lagragian)

SimpleSimの画面

混相流のLagragianモデルの場合、連続相の物性値と分散相の物性値を設定することができます。
連続相は、流れの中で占める割合が大きく、連続的に存在する相のことです。分散相は、流れの中で占める割合が小さく、不連続的に存在する相のことです。

5-9.物性値(混相流:Euler)

SimpleSimの画面

混相流のEulerモデルの場合、各相の物性値を設定することができます。
追加で粒子径を設定することができます。連続相として挙動して欲しい場合には、粒子径は十分に大きな数値を入力して下さい。

5-10.スカラー

SimpleSimの画面

スカラーは、名前を設定することができます。
混相流では、どの相の割合かを指定することができます。


[前:物理モデル] [マニュアルの目次] [次:領域の設定]


2024年07月14日 更新